涙 (コラム50:ライトハウス2012年6月16日号)

思いっきり泣いてみたい時、ありませんか? 一人になってワンワン泣いたらスッキリした、なんて経験ありませんか? 泣くという行為にはストレス解消効果があるようで、涙は伊達にある訳ではないようです。

米国の人口統計学者ウイリアムH. フレイ2世博士は「感情的な涙」についての調査をしました。涙を流す原因となった感情で一番多かったのが「悲しみ」で50%、次いで「喜び」20%、その次が「怒り」10%、その他、同情、心配、恐怖、となっていました。このような感情からくる涙を流した後、男性では73%、女性だと85%もの人たちが「泣いた後に気分が良くなった」と答えたそうです。

この調査結果を見て、フレイ博士は泣くという行為や涙には精神的なストレスを解消する働きがあるのではないかと考え、涙のメカニズムをさらに追求したのです。そして、涙にはストレス物質であるコルチゾールを対外に排出する役目があることを見付けました。つまり、泣くことによて、ストレス性のホルモンが体外に流れ出るために、涙を流した後は気分が良くなることが解ったのです。
フレイ博士は、目にゴミが入ったり玉ねぎを切った時に出る涙も調べました。しかし、このような涙がコルチゾールを含み体外へ排出されることはありませんでした。コルチゾールを対外に流せるのは感情的な涙に限られるということです。

ストレスの抵抗力を強化するホルモンの分泌を促がす副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が涙の分泌を促進するのですが、感情的にストレスを感じて初めてACTHが活躍し、コルチゾールが排出されるということになるからだそうです。また。同じ感情の涙でも悲しい涙と嬉し涙ではまた違いがあるそうです。

脳内でコルチゾールが多量に分泌されると、脳の海馬の神経細胞が破壊され、海馬が萎縮してしまいす。PTSDやうつ病の患者には、海馬の萎縮があることも発表されています。

カウンセリングで時々、極端なプラス思考のために、自分に起こるマイナスの感情を一切認めない方に会います。怒りも悲しみも無理に抑圧し続けた結果、感情が麻痺したり、うつ病になったり、精神的健康を害してしまいます。どんなトレーニングでも自分に合ったレベルやペースがあるように、感情のトレーニングにも同じことが言えます。あまり無理をせずに、時には自分の感情に素直になって、涙が出てくるのなら、いっぱい流してみて下さい。
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