境界性パーソナリティ障害 (Borderline Personality Disorder)

些細なことがきっかけで怒り出し制御不能になる特徴をもつ、境界性パーソナリティ障害という障害があります。精神的に健全な人にとっては何でもないような些細なことで怒り出し。怒りに任せて相手を徹底的に傷つけるような暴言を吐いたり、暴れることもあります。

自分ではなくて相手に非があることをわからせようと責め立て、相手が逃げようとすると執拗に追いかけたり、逆に出てゆけ離婚しろと詰め寄ったり、走っている車から飛び出ようとしたり、ベランダの窓から飛び降りようとするなど、自分の激情に振り回されます。

夫婦や同居のパートナーに対してこのような一面が現れることが多く、友人知人には想像もつかないことが多いのであまり表面化しません。

本人にとっては自分の怒りが正当で相手に落ち度があるので、自分の方が被害者だと思っている人もいます。暴力がある場合、それに対しては反省をする人もいますが、反省や後悔と反比例し、不安感と暴言・暴力はしだいにエスカレートします。

障害は女性に多く見つかりにくいのですが、カウンセリングでは常連さんでもあります。女性の場合は相手への強い依存が、男性は劣等感の裏返しである、優越感や支配への飢餓的欲求が強く見られます。

DSM-IV-TRによる診断基準です( 次の9項目のうち5つ以上にあてはまる場合です)。
(1) 現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力

(2) 理想化とこき下ろしの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係様式

(3) 不安定な自己像または自己感

(4) 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの
  (例:浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、むちゃ食い)

(5) 自殺の行動、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し

(6) 顕著な気分反応性による感情不安定性
  (例:通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い不快気分、いらだたしさ、または不安)

(7) 慢性的な空虚感

(8) 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難

(9) 一過性のストレス関連性の妄想様観念または重篤な解離症状

*『DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引』(著者:American Psychiatric Association、翻訳:高橋三郎、大野裕、染矢俊幸) 。

この障害は両刃の剣です。相手と自分を深く傷つけます。子供のいる人は子供も巻き込み傷つけます。心の深い傷と認知のゆがみを少しでも早く治しましょう。

(ライトハウス2012年5月1日号)
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