幼少期から成長期にかけて、親が離婚をして会えなくなったり、死亡したり、または自分が養子となったりした場合などに「見捨てられ不安(Abandonment Issues)」という心の問題を持ってしまうことがあります。両親共に揃っていても、多忙、病気、貧困等の問題で愛情やケアが不足した場合にも起こり、アバンダンド・チャイルド・シンドロームとも言われます。

本人は無意識であることが多いのですが、愛する人にいつか見捨てられるのではないか、いなくなってしまうのではないか、自分のことを本当に愛してくれる人はいないのではないか、などの慢性的不安が潜在意識にあり、健全な愛情関係を育む支障となります。

こうなると、人を愛することが喜びであると共に、不安や不信感と戦わなくてはいけません。愛情を確認しても安心感が続かず、絶えず愛情表現をしたり求めたりします。電話やメール、自分に対する労力や犠牲の多さ、一緒にいる時間の長さ、贈り物の頻度や金額などで愛情を確認しようとします。同時に、相手の言動に不安や不信の元を探したり、異常に嫉妬したり、結果として、愛情関係や信頼を築けないどころか、壊してしまうのです。

「見捨てられ不安」を抱えている人のもう一つの問題は、自分を見捨てるような人や「見捨てられ不安」を抱えている相手に磁石のようにくっついてしまう傾向があることです。以下に挙げる特徴のうち2つ以上当てはまる場合は「見捨てられ不安」を疑ってみるといいでしょう。


• 心のどこかにいつも不安や悲しみが潜んでいる。
• 愛情確認をしないとすぐ不安になる。
• 愛情関係はいつか終わるものだという不安がいつもある。
• 愛情関係が終わってしまったら、自分も失敗者・落伍者になる。
• 電話やメールは、朝昼晩できるだけたくさん欲しい。
• わざとパートナーが嫌がることをして、自分への愛情を計ることがある
• 良くない交際相手なのに自分から別れられない。
• 真剣な交際は避けている。嫌だ。
• パートナーが「見捨てられ不安」の問題をもっている。
• 別れを告げられるのは耐えられないので、自分から別れを持ちかける。
• 別れて何年経っても心が癒えず落ち込んでいる。
• 誠実な相手なのに、すぐに嫉妬してしまう。
• 既婚者や好きになってはいけない人を好きになる。

「見捨てられ不安」は心理療法が有効です。心あたりのある方は、早く問題に取り組むことをおすすめします。

(ライトハウス 2012年4月1日号)

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