自分を愛するということ(2011年9月1日号)

心理学では自分を愛することの大切さを説明しています。多くの心理学者がそのような内容の本を一般読者向けに書いています。近年の日本でも“自分を愛しましょう”というメッセージが広まったようです。

“自分を褒めてあげましょう”とか“自分にご褒美をあげましょう”といったメッセージも多くの方が耳にしているのではないでしょうか。

近年“ナルシストタイプの人が増えている”という報告がありましたが、この“自分を愛しましょう”というメッセージが、一部、誤解されて受け取られてしまってやいないかと思うことがあります。

特に日本語では”自分を愛する“ということが上手く伝わっていないのではないかと思うのです。

”自分を愛しましょう“というメッセージの意味がきちんと届かず、結果としてナルシストを作ってしまっているとしたら、それは大変残念な憂慮すべいことで、少しでも誤解を解いていかなくてはなりません。
心理学で言っている“自分を愛する”ということは、自分の長所も短所も全部ひっくるめて自分を理解し受け入れ自分を大切にしましょう、ということです。

自分を溺愛して自分しか愛せないのではなく、人をも愛することです。自分に甘いだけでなく、時には優しく時には厳しくできることです。

自分を否定したり偽ったりして本当の自分を隠して生きるのではなく、ありのままの自分を認め、等身大の自分で胸を張って生きてゆくということです。

当然、現実の生活で、全てが“ありのままの自分“というわけにはいきません。臨機応変も必要です。人はいろいろな立場に応じて、いろいろな顔を持っています。
また“ありのまま“は自分の短所に対して“このままでいいんだ“と開きなおることでもありません。自分の欠点は謙虚に認めたうえで、卑下することなく成長してゆくことです。

自分を愛せる人は自分と上手く付き合ってゆけます。自分を愛せずにいる人は、人との付き合いも上手くありません。

自分を本当に愛せる人は、人を本当に愛することができます。

自分という人間を大切にし尊重することができて初めて本当に他の人を大切にし尊重することができます。

そうでなく、自分を愛せなかったり自分だけしか愛せないのであれば、人から本当に愛されることも難しいでしょう。

“自分を愛する”ということは人を愛することの基本となり、人を愛することが人から愛される基本ともなるのです。
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